レストランで、ソムリエから勧められたワインを飲むことがあります。
また、ワインショップで、店員から勧められたサンプル用のワインを一口飲むこともあるでしょう。
そうしたとき、感想を言わなければならない雰囲気が漂うことがあります。
一瞬、戸惑います。
「ワインというくらいだから、何か気の利いた感想を言ったほうがいいのではないか」と思うことはありませんか。
もちろんワインに親しみのある人なら、頭に浮かんだ感想を、そのまま言えばいいでしょう。
ほかのワインをよく知っていれば、比較ができたり違いを発見したりできるはずです。
「普通の赤より飲みやすいですね」「甘いですね、からいですね」など言えば「ワインのことをよくわかっている」と感じます。
ソムリエや店員との会話もいっそう盛り上がるに違いありません。
では、そうした感想が述べられない初心者は、ダメなのかというと、そうではありません。
おいしいワインに対しては、素直に「おいしい」と言えばいいのです。
ありふれた言葉ではありますが、恥ずかしいことではありません。
これで十分です。
ソムリエに対しても、ワインの生産者に対しても、やはりおいしいという一言以上に嬉しい言葉はありません。
ワインを作ったり給仕したりする人にとって、おいしく飲んでもらえるもらえるのが一番の喜びなのです。