「ダイエットのために、毎日10分の散歩を続けよう」
さて、これを聞いて、あなたはどんな印象を受けましたか。
一見すれば問題ないように思え、ダイエットにも効果があるように思えます。
結論から言えば、10分くらいの散歩では、ダイエットに大きな効果はありません。
まったく効果がないわけではありませんが、小さいと言っていいでしょう。
なぜでしょうか。
運動してすぐ脂肪されるわけではないからです。
少し専門的な話になりますが、メカニズムについてご説明します。
ウォーキングは、有酸素運動の1つです。
有酸素運動とは、たっぷり酸素を吸い込んで、エネルギー燃焼を促す運動のことです。
ウォーキングをしながら酸素をたっぷり吸い込むことで、エネルギー消費の効率を促します。
さて、このエネルギーですが、最初は血中に含まれている糖分からエネルギーを取り出そうとします。
血液中にある糖分のほうが、エネルギーとして取り出しやすいためです。
しばらくの間は、この血中の糖分で運動をし続けることができます。
しかし、30分ほどを過ぎたくらいから、変化が起きてきます。
血中の糖分が、だんだん不足してきます。
すると体は、代わりのエネルギー源として、脂肪を分解してエネルギーへと変換しようとします。
脂肪1グラムは、9キロカロリーもあります。
そのとき、ようやく「脂肪燃焼」が始まります。
ウォーキングがダイエットにつながるのは、このときからです。
歩いてすぐ痩せるわけではない。
しかも、ただ歩けばいいわけでもありません。
早歩きで、少し汗ばむくらいが目安です。
10分ほどのウォーキングによるダイエット効果は、小さいです。
ダイエット効果が現れるのは、有酸素運動を始めてから30分以上です。
ダイエットを目的として歩くなら、ちょっと汗ばむくらいの速度で、30分以上は歩きたいところです。