あなたはデパートで商品を選ぶとき、どのような基準で選んでいますか。
まず思い浮かぶのは「売れ行きのいい商品のチェック」です。
売れ行きがいいなら、値段や性能など、評価が高いことがわかります。
電器店の中で、お店の人に売れ行きのよい商品を尋ねるときがあります。
「一番売れている商品はどれですか」という質問は、もはや決まり文句と言ってもいいでしょう。
「そうですね。今一番売れているのはこちらの商品ですね」
接客になれた店員は、売れ行きのよい商品を素早く紹介してくれます。
「なぜ人気なんですか」
「なぜそんなに売れているんですか」
こういう質問をすると、商品に熟知している店員は、嬉しそうに詳しく説明してくれます。
その説明の中には人々が求めている新機能や具体的な使用法など、勉強になる参考情報がたくさんあります。
今の時代の最先端が見えてくるでしょう。
しかし、です。
ここまでは、誰もがする当たり前の質問です。
実は、さらに別のアプローチもあるので、ご紹介します。
「一番売れていない商品はどれですか」という質問です。
私もときどき店員に、こうした質問を尋ねますが、たいてい驚かれます。
「え? 一番売れていない商品ですか」
店員は驚いた表情を見せた後、しばらく考え、しぶしぶ紹介してくれます。
そこで忘れずに、次の質問をしましょう。
「なぜ売れないんですか」
「この商品の何が悪いのですか」
「なぜメーカーは、こんな商品を発売したのですか」
そうすると商品に詳しい店員は、売れないであろう理由をいくつか教えてくれるはずです。
その情報こそ、貴重です。
プラスの面から商品を見るのではなく、マイナスの面から商品を見てみましょう。
逆のアプローチからの質問は大切です。
売れないということは、失敗している商品です。
売れない理由を知ることで、自分のビジネスにも気をつけたり、反省できたりすることが見つかるのです。