19世紀中ごろに起こったゴールドラッシュは、有名です。
われ先にと言わんばかりに、みなが一斉に金産地であるアメリカ・カリフォルニアに向かいました。
宝のありかがわかれば、手に入れるために向かうのは当然の行動です。
さて、こんなゴールドラッシュでは、大金持ちになった人は、2種類います。
金産地で金を掘り当てた人は、当然のごとく、大金持ちになりました。
この方法を思いつくのは当然です。
しかし、一部の賢い商人たちはまったく別の行動を取り、大金持ちになりました。
なんと、金産地という「宝の地図」を販売しました。
金が見つかったという報告があった場所を、データとしてまとめ、本にして販売しました。
金が見つかった場所ですから「まだ金が残っている可能性がある」と思います。
飛ぶように売れました。
こうして金を掘り当てずして、金を手に入れました。
ビジネスチャンスをつかむ人は、こうした賢い行動をします。
ビジネスチャンスは、宝を見つけるのではなく、宝の地図を販売して大金持ちになります。
この話は、19世紀のゴールドラッシュだけに限った話ではありません。
実は現代でも、形を変えて同じことが続いています。
それが「宝くじ」です。
宝くじを買う人は、お金持ちになれません。
もちろん1等が当たれば、一晩にして大金持ちですが、確率が低すぎます。
確率が低すぎて、現実的な数字ではありません。
宝くじを買うなら真面目に仕事をしたほうが、お金持ちになる可能性が高い。
賢い人ほど、宝くじを買いません。
その代わり「宝くじが当たる本」を販売して、大金持ちになります。
過去に1等が出た宝くじ売り場をデータとしてまとめます。
また、1等で当たった番号を集計して、データとしてまとめます。
当たりやすい番号を本にしてまとめると、飛ぶように売れます。
宝くじを当てたいと思う人は、必ずこの種類の本に飛びつきます。
宝くじを当てる確率を少しでも高くしたいという心理を逆手にとって、大金持ちになってしまいます。
「宝くじが当たる本」という本を販売して、お金を得ればいい。
本当のお金持ちは、頭を使ってお金を稼ぎます。
宝くじを当てようとするのは、頭を使わないと、得をするどころか損をするのです。