「人が老いる」というのは、例えて言えば「さびる」と同じ話です。
いわゆる「酸化」と考えればイメージがしやすいと思います。
鉄は、使っても使わなくても、ほうっておけば自然とさびていきますね。
それは、鉄と酸素が触れることで、鉄の酸化が進行するからです。
バナナをほうっておくと、だんだん茶色になります。
リンゴも切って、ほうっておけば、だんだん茶色になります。
同じ話で、酸化するからです。
酸素のある空気中に存在するかぎり、避けては通れません。
同じように、人の体もさびます。
厳密に言えば、細胞が酸化します。
人が生きて活動する際には、エネルギーが必要です。
エネルギーは、細胞と血液中の酸素とが結合することで、発生します。
その際に、少しずつ細胞のさびが進行していきます。
そのさびた細胞が増えるほど、老化していきます。
私たちは、酸素がないと生きていけません。
さびの原因である酸素をなくすわけにはいかず、細胞のさびは避けては通れない道です。
まさに、地球上、生きとし生けるものに課せられた宿命です。
しかし、です。
このさびを完全に避けて通ることはできませんが「遅らせること」ならできます。
通常、体内に取り入れられた2~3パーセントが、活性酸素になるといわれています。
長生きをするためには、このさびの進行を少しでも遅らせればいい。
そのポイントこそ「食べる量」です。
食べる量が少なければ、消化活動のために必要とされる酸素も少なくなり、さびの進行も遅くなります。
ただ少なければよいという問題ではなく、もちろん栄養バランスの取れた食事であることが前提です。
長寿を目指すために、食べる量を減らし、小食を心がけることです。
食べる量が多ければ、その消化のために大量の活性酸素が生産され、細胞のさびが早く進行し、老化も早く進んでしまいます。
食べる量が少なければ、発生する活性酸素が抑えられ、細胞のさびの進行も、老化の進行も緩やかにさせることができます。
1回の食事ではほんのわずかの違いです。
しかし、何年にも及ぶ小食の習慣があれば、年を追うごとに、その差は歴然となります。
長寿の人たちが、決まって小食なのは、そういう理由があるからです。
小食を心がけることは、ダイエットにつながる効果だけではありません。
ダイエット効果があると同時に、長寿につながる効果もあるのです。