「勉強、頑張れ!」
「運動会、頑張れ!」
「部活、頑張れ!」
「頑張れ」というのは、応援するときの代表的な言葉です。
大変便利な言葉です。
誰もが当たり前のように使っています。
しかし、一方で冷たい言葉でもあります。
いろいろな使い方ができる半面、子どもの返事に困ったら「頑張れ」という答えでごまかせてしまいます。
相手の気持ちを一切考えずに、いくらでも言えてしまうから注意が必要です。
子どもに頑張れと応援するとき、ほとんどの場合、すでに子どもは頑張っています。
すでに頑張っているというのに、さらに頑張れと話しかけることは、子どもにはかなりのストレスになります。
私は子どものころ、一生懸命頑張っているのに、大人から「頑張れ」と言われて違和感を抱いたことがあります。
「すでに一生懸命頑張っているではないか。見てわからないのかな」
不思議に思ったほどです。
頑張れは便利な言葉だけに、相手の気持ちなんて考えることなく、言えばいいだけのことです。
気持ちはなくても、とりあえず応援ができてしまいます。
頑張れほど気持ちのこもった応援はないのです。
大人たちは「頑張れ」を口癖に応援してしまいますが、一番言ってはいけない応援といっても過言ではありません。
勉強にしろ、運動会にしろ、頑張れといわれなくても、頑張るのは当たり前のことだからです。
子どもがすでにわかっていることを、繰り返し言わなくてもよいのです。
子どもが頑張っているがゆえに、つい忘れがちになっていることを、大人は補足するのです。
私はいつも、頑張れば頑張るほど、必ず忘れがちになることがあります。
一生懸命になるほど、つい忘れがちになること。
あなたにはわかりますか。
「楽しむ」ということです。
一生懸命に頑張るほど、肩に力が自然と入り、楽しむことを忘れてしまいがちです。
視野が狭くなり、気持ちの余裕がなくなり、不要なところにまで力が入ってしまいます。
頑張れという言葉をやめて、楽しもうという言葉に代えてしまえばいいのです。
頑張るのは、子どもの仕事です。
楽しむことを思い出させてあげるのが、大人の仕事であり、本当の応援です。
頑張っていて、あともう1つ何かを応援するなら「楽しむこと」です。
「楽しんで!」という応援は、子どもの背中を上手に押すことができる言葉です。
「頑張れ」という言葉を「楽しんで!」という言葉に置き換えましょう。
「勉強、頑張れ!」→「勉強、楽しんで!」
「運動会、頑張れ!」→「運動会、楽しんで!」
「部活、頑張れ!」→「部活、楽しんで!」
いかがでしょうか。
楽しむという言葉に置き換えるだけで、元気の出る言葉になりましたね。
子どもは素直ですから、一生懸命に頑張るのは大人が言わなくても、そうします。
大人は一生懸命になると忘れがちな「楽しむ」ということを補足してあげればいいのです。