子どもを手放すというのは、最も親がしたくないことです。
最愛のわが子ほど、いつまでも手元に置きたいと思います。
しかし、一方で、手放すことができる親は、本当に愛の深い親でもあります。
子どもを手放すことができる親は、本当に子どもに育ってほしいと願う親心を持っているからです。
子どもを束縛するような指示をしては、子どもはいつまでも育ってくれません。
ゆえに、制限をかける親は、子どもをダメにする親ということです。
親であるあなたは、次のような言葉に心当たりはありませんか。
「門限は、6時」
「一人暮らしは危ないからダメ」
「実家に近い大学を選びなさい」
「都会に出ていくことは許さない」
「あなた(子ども)がいなくなったら、私たち(両親)の面倒は誰が見てくれるの」
少々、厳しいことを言ってしまいますが、こうしたことを言う親は、最低の親です。
いつまでも自分の手元に子どもを置いておこうとする親は、むしろ犯罪行為と言ってもいいほどです。
巣立って自立したい、という気持ちになっている子どもを束縛しています。
刑務所に監禁している状態と、さほど変わらないのです。
いつまでも手元に置いておきたいという親は、本当に子どものことを考えてはおらず、自分本位で考えているのです。
自分の持ち物という認識が強いのです。
自分(親)が寂しくなりたくないからと、子どもを人形のように手元に置きたがろうとします。
いつまでも鎖でつながったままの犬は、筋力や体力が衰えて早死にしてしまいます。
同じように、いつまでも束縛という鎖につながったままの子どもも、筋力や精神力が衰え、1人で生きていけなくなります。
あなたが本当に子どものことを考えている愛の深い親なら、巣立つ子どもをそっと見守ってあげましょう。
親元から離れようとする子を、許すのです。
門限をなくし、一人暮らしを許してあげるのです。
実家から出ていこうとする子を許す親は、最低の親ではなく、むしろ最高の親なのです。
愛があるからこそ鎖を解いて、大きな社会の波に揉まれて強くなってほしいと願います。
子どもが、好きでたまらない愛の深い親だからこそ、手放すことができるのです。