子どもがある程度の年齢になれば、分別がつくようになります。
交通ルールやお金の使い方を覚え、自分で買い物ができるようになれば、ぜひとも「お使い」をお願いしてみましょう。
お使いとはいえ、さまざまな勉強ができるようになります。
さて、この「お使い」も少し工夫を加えることで、実に子どもの想像力を鍛える方法になります。
あなたは、子どもにお使いをお願いするとき、どう指示していますか。
おそらく、カレーを作りたければ「材料」を直接指定してお願いしていることでしょう。
「ジャガイモ、ニンジン、お肉、カレーのルーを買ってきて」
これは普通のお願いの仕方です。
もちろんお使いに慣れていないころは、この方法でなければいけません。
何を買ってくるのかわからないとお使いになりませんね。
さて、そんなお使いも何度も繰り返していれば、慣れてくるようになります。
子どもが十分にお使いに慣れたと感じれば、ぜひ実践していただきたいレベルアップがあります。
「作りたい料理だけ」を指定して、必要な食材を子どもに任せる方法です。
「ジャガイモ、ニンジン、お肉、カレーのルーを買ってきて」という言い方をしません。
「カレーを作りたいから必要な物を買ってきて」という言い方に変えます。
脳にとって、いい刺激になる方法です。
子どもはいつも食べているカレーを思い浮かべながら、買い物に出かけ、食品売り場をうろうろするはずです。
「そういえばカレーにはジャガイモが入っていたな」
「お肉も入っていたし、ニンジンも入っていたな」
「カレーのルーも必要だ」
子どもなりに、いつも食べているカレーを思い浮かべながら買い物をするはずです。
これによって何が鍛えられるのかというと「想像力」です。
頭の中でいつも食べているカレーを思い浮かべながら、入っている材料を分析します。
そうすると、子どもなりに食材選びがうまくなります。
もちろんハードルの高い買い物です。
慣れないうちは難しいと感じるのも事実です。
子どもが慣れないうちは、一緒に行って「○○を作るのに必要な食材はどれでしょう?」とクイズ形式で進めましょう。
初めは、単純な料理からのほうがいい。
「お刺し身を作るのに必要な物はどれでしょう」から始めればいいでしょう。
お刺し身は、お魚1つあればOKですね。
子どもでもすぐわかるはずです。
だんだん食材の多い物へとレベルアップします。
オムライスを作るのに必要な材料。
カレーを作るのに必要な材料。
シチューを作るのに必要な材料。
焼きめしを作るのに必要な材料。
子どもに必要な物を答えさせます。
もし、足りない食材があれば、親がフォローすればいい。
慣れてくれば、1人で買い物をさせるところから、子どもに任せてみます。
ときどき買い足りない材料も出てきますが、そのときはその材料を抜きにして料理します。
カレーやシチューくらいなら、材料が1つや2つ足りなくても、何とか口にはできるはずです。
足りない材料で作られた料理を子どもは食べて、次からは「気をつけよう」と思います。
注意していただきたいのは「できなくても叱らないこと」です。
叱ると、子どものやる気や元気を奪い、つまらなく感じます。
必要な物を買ってくればその分「偉いね。よくできました」と言って褒めてあげましょう。
褒められれば、次からもっとやる気を出すに違いありません。
これは同時に、子どもが料理の関心を高める勉強にもなります。
食事は食べて終わりではなく「何が入っているのかな。何でできているのかな」と、食べるものを注意深くみるようになります。
こうしたことがきっかけで、自分から料理を始める可能性だってあります。
ご家庭で、簡単にできる子どもの想像力を鍛えるトレーニングです。
ぜひ、試してみましょう。