ある日、私は夕食の食材を買おうと、スーパーの食品売り場を歩いていました。
ちょうどそのとき、子ども連れの親子に出くわしました。
おそらく7歳前後でしょうか。
幼い男の子が、母親に「これは何?」と尋ねていました。
夕食の準備のため、母親がショッピングカートに入れるものに興味を持っているようです。
ふと、昔の自分を回想しました。
「そういえば昔、自分も同じようなことを口にしていた記憶があるなあ」
つい、昔の自分とその子とが頭の中で重なって、1人、感慨にふけっていました。
しかし、です。
母親が残念な言葉を言ってしまいます。
「今忙しいから。後でね。また今度ね」
子どもからの質問をごまかしていました。
母親は買い物に夢中で、子どもの相手をする余裕はないという様子でした。
子どもの残念そうな表情が忘れられません。
親の気持ちもわからないわけではありません。
おそらく夕食の時間まで余裕がなく、子どもの質問にいちいち答える余裕がなかったのでしょう。
子どもの質問に答えたい気持ちはあっても、限られた短い時間で説明するのは難しい。
こういうとき、どうすればいいのでしょうか。
そもそも時間ぎりぎりに買い物をするからいけません。
十分に時間がないから、子どもの質問に答える余裕もなくなります。
親は「あらかじめ子どもが興味を持つだろうな」ということを想定して、時間に余裕を持って買い物に出かければいい。
いつもより、ほんの10分早めに買い物に出かけるだけでもいい。
さらに余裕があれば、20分や30分早く買い物に出かけるのもいいでしょう。
子どもの質問に対応できる余裕は、ずいぶん変わるはずです。
せっかく子どもから質問してきた機会を、ぜひ十二分に生かしていきましょう。