「いろいろお世話になりました」という抽象的な表現では「いろいろとは何だろう」と思います。
「いろいろ」という言葉は、大変使いやすい。
しかし、抽象的です。
いちいち細かく感謝を言うのが面倒なときに「いろいろ」という言葉で話を抽象的に濁します。
「いろいろ感謝しています」
「いろいろ助かりました」
「いろいろありがとう」
こうした口癖に、心当たりはありませんか。
「いろいろありがとう」と言われて、たしかに嬉しい気持ちにはなりますが、物足りない気持ちになりませんか。
「いろいろ」という言葉は曖昧で、何に対して感謝をしているのか、はっきり伝わってこないからです。
「いろいろ」という言葉が加わると、急に社交辞令のような印象になります。
手紙でお礼を言うときには、1つでかまいませんから具体的なお礼をすることです。
「いろいろありがとう」という言葉は、間違ってはいませんが、工夫の足りない感謝の言葉です。
「先日は、楽しい話を聞かせてくれてありがとう。旅行で財布を落とした笑い話が面白かった」という内容のほうが具体的です。
「財布を落とした話に喜んでくれているんだな。よかった。また楽しい話をしよう」と思うものです。
感謝といってもさまざまですから、何に対して感謝をしているのかという具体例を1つ挙げて言えばいいのです。
1つの具体例を加えて「ありがとう」と感謝すれば、より喜びが伝わります。
「先日の仕送り、どうもありがとう。お菓子が一番嬉しかった」
「連絡の電話、どうもありがとう。おかげで助かりました」
ささいな言葉でかまいません。
具体例を1つ挙げるということは、感謝が伝わりやすくなる工夫なのです。