学問や技芸を習得するためには、弟子入りが有効です。
師匠に弟子入りして、師弟関係を結ぶことがあるでしょう。
師匠はプロです。
師匠から直接指導を受けることができれば、コツやポイントをつかみやすくなり、技芸の上達も早くなります。
夢実現の近道となるに違いありません。
「師弟愛」という言葉があるように、師弟関係は夫婦関係のように深くて強い結びつきがあります。
ところが、弟子入りをしたものの、思わぬ現実に直面することがあります。
一緒に過ごす時間が長くなるにつれて「ちょっと違うな」と感じてくることもあります。
師匠の悪いところが見えてきて、幻滅することもあるでしょう。
最初は素晴らしい師匠であっても、あるときから態度が変わって別人のようになり、尊敬できなくなることがあります。
「もう尊敬できない」
「人が変わってしまった」
「これ以上ついて行けない」
そんなときは、師弟関係を解消して離れてください。
たもとを分かつ決断も必要です。
「師匠に申し訳ない」「師弟関係を解消するなんて非常識」といった考えがあるかもしれません。
「師弟関係は永遠の関係だ」「たもとを分かつなんて言語道断」と叫ぶ人もいますが、それは誤りです。
師弟関係は雇用関係ではありません。
師弟関係を結んだからといって絶対でも永遠でもありません。
もちろん安易な理由で解消するのはよくありませんが、正当な理由であればためらいは不要です。
「師匠を尊敬できなくなった」は正当な理由です。
恋愛や結婚と同じです。
パートナーから気持ちが離れ、愛も信頼も幸せもなくなって苦しみだけの状態になれば、別れの決断も必要です。
それは普通のことであり、珍しいことではありません。
結婚ですら離婚できるのですから、師弟関係も解消できます。
罪悪感があったり良心が痛んだりするかもしれませんが、無理に関係を続けるのはもっと悪影響です。
「師弟関係は永遠の関係」という考えにとらわれていると、貴重な時間やお金を失うばかりになります。
もたもたしているとどんどん時が過ぎていき、貴重な時間を失ってしまいます。
尊敬できなくなったら、師弟関係を見直すタイミングなのです。