自分の体調不良を低気圧のせいだと言う人がいます。
「低気圧のせいかなあ。朝から体がだるいなあ」
「なんか肩が凝るなあ。低気圧のせいかなあ」
「頭がずきずきするなあ。きっと低気圧のせいだろう」
低気圧とまったく無関係というわけではありません。
実際に低気圧が原因で起こる不調があります。
気圧の変化を受けやすい体質の人の場合、低気圧のせいで頭痛や倦怠感が引き起こされることがあります。
これを「低気圧不調」と呼びます。
気圧の変化を受けやすい体質の人は、毎年梅雨や台風の時期になると、体の不調に悩まされることも多くなるでしょう。
低気圧の影響による不調があるのは間違いありません。
しかし、だからといって何でもかんでも低気圧のせいにしないことです。
低気圧のせいにすると、どんどん癖になり、悪い思い込みが生まれます。
いろいろな不調を低気圧に結びつけてしまい、すべて低気圧のせいに思え始めてきます。
悪い錯覚が引き起こされ、あらゆることを低気圧のせいにする癖がつきます。
「最近つい食べ過ぎちゃうんだよねえ。低気圧のせいかもしれない」
「午後に眠くなって昼寝しちゃうんだよね。低気圧のせいなのかなあ」
「運の悪いことが続いていてつらいなあ。これもやっぱり低気圧のせいなのかなあ」
あげくには、仕事のミス、日常の失敗、身に起こる不幸など、低気圧と無関係のことまで低気圧のせいにし始めてしまうのです。
低気圧もいい迷惑です。
何でもかんでも低気圧のせいにしないことです。
低気圧は、周囲よりも気圧が低いことだけのことであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
低気圧がこの世からなくなることもありません。
低気圧も高気圧も地球の営みであり、地球が自転しているかぎり必ず発生するものです。
低気圧が原因による不調があるのも事実ですが、だからといって何でもかんでも低気圧のせいにしないことです。
食べ過ぎるのは、低気圧のせいではなく、食欲に負けているだけのことです。
昼に眠くなるのは、低気圧のせいではなく、単に睡眠不足だからです。
運の悪いことが続いていることは、もはや低気圧とは1ミリも関係ありません。
何でもかんでも低気圧のせいにしていると、チャンスや成長の機会を逃します。
低気圧が原因によるものと、そうでないものを、きちんと区別することです。
きちんと現実を見ることで、低気圧に振り回されることがなくなります。