人生を深く味わうとは何か。
それは「2回目を楽しむこと」をいいます。
同じ物事なら、同じ刺激しかないと思うのは誤解です。
もちろん1回目と同じ感動を得るのは難しいでしょう。
すでに内容を把握しているため、同じ感動を味わうのは不可能です。
そのため、多くの人は、「一度経験したから十分だよね」と考えがちです。
ここに誤解があります。
2回目には、2回目のよさがあります。
同じ物事であっても、すでに内容がわかっているからこそ、別の感動があります。
新しい発見があったり、感じ方が変わったりします。
より深く知り、より深く理解することが、人生を深く味わうことになります。
たとえば、小説です。
お気に入りの小説があれば、もう一度読んでみましょう。
「読んだことがあるから再読しても仕方ない」と思うかもしれませんが誤解です。
2回目の読書は、すでに内容をわかっているため、より深く理解できます。
「なるほど。そういう意味だったのか」
1回目ではわからなかったことがわかるようになります。
映画も、面白かった作品があるなら、2回目の視聴を楽しんでみましょう。
「1回見たから十分」と考えるのはよくありません。
名作は、何度でも楽しめます。
物語や結末を知っているからこそできる楽しみ方があります。
2回目は、全体的な内容をすでに知っているため、別のところに注意を向ける余裕が生まれます。
見落としていたポイントに気づくことが少なくありません。
1回目では気づかなかったことに気づくことで、作品をより深く楽しめます。
旅行も、もう一度同じ場所に行ってもいい。
いわゆる再訪問です。
「一度行ったことがある。同じ場所に行っても仕方ない」と思わないことです。
1回目とは違った感じ方ができるはずです。
どんな場所か知っているからこそ、働く感受性があります。
2回目は、別の感動を体験できるでしょう。
「やっぱりいい場所だなあ」としみじみできるでしょう。
1回目では気づかなかった景色もあれば感動もあるでしょう。
「こんなところにこんなものがあったのだね」と思うことが感動です。
同じ場所であっても、1回目とは違った旅行を楽しめるはずです。
「1回で十分」と考えるのではなく「2回目も楽しもう」と考えてください。
本当の素晴らしさは、2回目から理解できます。
また2回目で終わりにするのではなく、3回目や4回目もあっていい。
3回目・4回目には、3回目・4回目なりのよさがあります。
繰り返すたびに新しい気づきや発見があり、感動できるでしょう。
素晴らしいことには、何度も味わえるだけの価値があります。
たとえ何も得られることがなかったとしても、人生をより深く楽しんだことになります。
人生を深く味わうとは「2回目を楽しむこと」をいうのです。