小鳥たちが巣立つ瞬間をご存じですか。
自分たちで積極的に羽ばたいて巣立っていく様子をイメージしているかもしれません。
もちろん自分から羽ばたいて巣立つ小鳥たちも存在しますが、すべてがその限りではありません。
野生の世界では、意外と冷酷な場面があります。
巣から追い出されるかのように、無理やり親鳥に背中を押されて、仕方なく巣立つ小鳥たちもいます。
小鳥は必死で巣にしがみつきます。
親鳥は、その手を振り払い、追い出すかのように小鳥を巣から追い出します。
親鳥は、わが子に早く自立してもらいたいと思っています。
そのため、小鳥がある程度まで成長すると、親鳥は無理やり巣から追い出して、巣立たせようとするのです。
小鳥は、初めて空を飛ぶのが怖いので、必死で巣にしがみつきます。
鳥でさえ、初めて空を飛ぶのは怖い。
途中で巣にしがみつくのを諦め、仕方なく巣から飛び出していきます。
その厳しさがあるおかげで、小鳥は空の飛び方を覚え、たくましく育っていきます。
その小鳥たちがゆくゆく親鳥になったとき、わが子に同じことをして、自立を促すのです。
これは野生に限った話ではありません。
私たち人間の世界でも起こります。
あるとき私たちは、追い出されるような出来事に遭遇することがあります。
背中を押す人も、さまざまです。
親かもしれません。
友人や恋人かもしれません。
先輩や先生かもしれません。
「あなたはここにいてはいけません。出て行きなさい!」といったニュアンスで、強制的に追い出されます。
追い出されるのは誰もが嫌です。
そのときは抵抗感があったり、孤独を感じたり、ストレスを感じたりするかもしれません。
しかし、ここが大切な場面です。
追い出されているのではありません。
背中を押してくれているのです。
表向きは、追い出しているように見えますが、実際は自立を促すために背中を押してくれています。
「ずっとここにいてはいけません。ぬるま湯につかるのはもう終わりです。さあ、勇気を出して、次のステージに羽ばたきなさい」
そう思いながら、申し訳ない気持ちで追い出しています。
人生では、誰かに背中を押してもらわないと、前に出られないことがあります。
追い出されても、相手を恨まないことです。
相手も、罪悪感にさいなまれながら泣く泣く追い出しています。
追い出されたら、新しい環境のため最初は苦労しますが、だんだん慣れてきます。
そのおかげであなたは大きく成長できます。
「やればできる」ということを経験します。
後になって「あのときは、追い出されたのではなく、背中を押してもらった」と気づき、感謝することになります。