「時間をかければ、秀逸な発想ができる」
そう考える人も多いのではないでしょうか。
たしかに時間は、アイデア発想に必要不可欠の要素。
資料を集めたり物事を考えたりするには、時間が必要です。
時間は可能性です。
時間に余裕があれば、さまざまな選択肢を落ち着いて検討でき、アイデア発想の可能性が広がります。
秀逸な発想を出すには、発想の数をこなす必要があるため、一定の時間が必要なのは間違いありません。
すぐ発想が出てこなくて頓挫しても、時間を置くことで思考がリセットされ、発想がスムーズになることもあります。
では、時間をかければ、必ず秀逸な発想ができるかというと、ここに誤解があります。
時間に余裕があればあるほど、秀逸な発想が出る確率は高くなりますが、絶対ではありません。
時間をかけても、発想ができないこともあります。
むしろ時間をかけすぎたため、かえってアイデアが出なくなることもあります。
時間をかけるにつれて思考が複雑になって収拾がつかなくなり、発想の妨げになるのです。
構想に何年もかけた映画が、ヒットしなかった例は珍しくありません。
じっくり練った脚本が空振りに終わったドラマも山ほどあります。
時間をかけたから、秀逸な発想ができるとは限らないのです。
逆のパターンもあります。
「時間をかけてないから、安易な発想しかできない」と考える人もいるでしょう。
たしかに時間が少なければ、発想できる範囲も限られます。
では、時間をかけてないから、安易な発想しかできないかというと、これにも誤解があります。
時間をかけてないから、安易な発想しかできないとは限りません。
インスピレーションは、流れ星です。
あるとき、急に現れては、さっと消えます。
それは、考え始めた直後というタイミングということもあります。
むしろ時間不足が有利に働くこともあります。
時間がないと、適度なタイムプレッシャーが生まれ、頭の回転を促します。
思考力・想像力・発想力が活性化されることで、普段は思いつかないようなアイデアが出ることもあります。
なにより時間がないと、余計なことを考えることができなくなります。
シンプルに考えざるを得なくなり、結果としてアイデア発想の近道になることがあります。
時間をかけてないから、安易な発想しかできないとも限らないのです。
アイデア発想で大切なのは、インスピレーションです。
インスピレーションが起こるタイミングは、不明確です。
時間をかけたから、秀逸な発想ができるとは限りません。
時間をかけてないから、安易な発想しかできないとも限らないのです。