「相手を喜ばせられれば、優しい人になれるだろう」
「とにかく相手を褒めまくれば、優しい人になれるだろう」
「困っている人をたくさん助ければ、優しい人になれるはずだ」
優しい人になる方法としてまず思い浮かべるのは、相手に喜んでもらえる対応ではないでしょうか。
たしかに優しい人は、人を心地よくさせる言動があります。
上手に相手を褒める。
面白い話をして笑わせる。
積極的に仕事を手伝う。
褒めて、認めて、肯定する。
ポジティブな働きかけがあれば、雰囲気も明るくなります。
快にさせる言動を心がけていれば、相手と仲良くなるのも早くなり、良好な関係が築けるでしょう。
しかし、快にさせる言動より、もっと大切なことがあります。
不快にさせる言動の回避です。
優しい人になるには、快にさせる言動より、不快にさせる言動を避けるのが賢明です。
つまり「加点を狙うより減点を避ける」という姿勢です。
どちらも大切な心がけですが、優先順位としては、まず不快にさせる言動を避けることから始めるのが得策です。
どれだけ快にさせる言動があっても、不快にさせる言動があると、すべて台無しになるからです。
たとえば、いつもあなたを元気づけてくれている人がいるとします。
落ち込んだときは励ましてくれたり、悩んでいるときには相談に乗ってくれたりします。
その一方で、あなたを見下したり小ばかにしたりする言動もあるとします。
すると、一気に印象が悪くなり、優しい人とは思えなくなるのではないでしょうか。
不快にさせる言動があると、どれだけ快にさせる言動があっても、無意味になります。
いくら嬉しい言葉を言われても、嫌な言葉まで言われたら、優しい印象が台無しになります。
また、いつも人助けをする人がいるとします。
ボランティア活動をしたり、積極的に人の仕事を手伝ったりなどです。
ところが、あなたにだけ冷たい態度なら、どう感じるでしょうか。
周りには優しい一方、あなたにだけ冷たい態度なら、総合的に優しい人とは言えないでしょう。
人は、ポジティブよりネガティブな言動のほうが印象に残りやすい心理があります。
人は、リスクを避ける生き物です。
そのため、快と不快が同じ程度なら、不快のほうが目立つように感じるのです。
優しい人になりたいなら、加点を狙うより減点を避ける姿勢が大事です。
快にさせる言動より、不快にさせる言動を避けるようにしましょう。