日常生活では、無料で商品を入手できる場面があります。
デパートの試食コーナー。
街角で配られている試供品や無料サンプル。
カフェに置いてある無料のコーヒーミルク。
広告や販売促進の一環として、無料で提供されているサービスがあります。
こうした場面で貧乏性の人は、がつがつした態度になります。
試食コーナーがあれば、1人でいくつも食べる。
試供品や無料サンプルが配られていたら、一度に何個も受け取る。
カフェに置いてある無料のコーヒーミルクを、こっそり大量にくすねる。
もちろん無料なので経済的なダメージはありません。
「もらえるものならもらっておく」という考え方も一理あります。
また、必要に応じて適量を受け取るくらいならいいでしょう。
食品売り場で気になる食材があるとき、味見として試食コーナーを利用するくらいならいいでしょう。
気になる商品があれば、試供品や無料サンプルなど、1人分をいただくくらいなら許容範囲です。
砂糖やコーヒーミルクなど、味わいの調整に必要な程度なら問題ありません。
しかし、がつがつするのはマナー違反です。
無料とはいえ、その費用は企業側が負担しています。
原価だけでなく、人件費や製造加工費もかかっています。
1人が大量に独占すると、小さな金額とはいえ、企業側の負担を増やすことになります。
1人が多くを独占すると、ほかの人が利用できなくなり、迷惑になります。
なにより上品ではありません。
無料にがつがつするのは、まさしく貧乏性を象徴する姿。
「私はお金に執着心があります」と、恥ずかしげもなく言いふらしているようなものです。
周りからは「卑しい」「みっともない」「みすぼらしい」といった様子に見え、品位の低下につながるでしょう。
「無料でもらえるなら何でも欲しい」という、貧乏性のみすぼらしい考え方が垣間見える瞬間でもあります。
周りの人からは「一緒にいるのが恥ずかしい」と思われ、人が離れていくに違いありません。
無料で入手できるものがあっても、取りすぎるのはよくありません。
心がけたいのは、常識にのっとったマナーです。
必要なときに必要な分だけいただくようにしましょう。
試食するものなら、一口分です。
試供品や無料サンプルなら、1人分。
味を調整するなら、必要最小限です。
「もっと欲しい」という本音があったとしても、常識とマナーを重んじて、我慢するのが適切です。
あらためて考えると、無料商品をたくさん入手したところで、節約効果は微々たる程度のはずです。
小さな損得のために、人としての品位を失ってはいけません。
人から品位を奪ったら、野生の猿と同じです。
無料で入手できるものがあっても、がつがつせず、必要分だけいただくようにしましょう。