緊張には、反対の作用があります。
「緊張していない」と言えば、緊張が強くなります。
緊張しているにもかかわらず、意地を張り、素直に認めていません。
心に摩擦と違和感が生じるため、ますます緊張が悪化します。
たとえば、試合直前で緊張しているとき「緊張していない」と言ったとします。
一度発言すると、それを証明しなければなりません。
「緊張していない自分を演じる」という余計な作業が入ります。
本番に集中しにくくなるだけでなく、ますます緊張が強くなるのです。
しかし、面白いのはここからです。
この作用は逆にも働きます。
「緊張している」と思えば、緊張がほぐれます。
素直に自分の状況を認めると、摩擦や違和感がなくなります。
余計な芝居を演じる必要もありません。
ありのままの自分を表現するだけでよくなります。
素直に自分の精神状態を表現すると、ストレスが外に吐き出されるため、心が楽になります。
たとえば、スピーチやプレゼンの冒頭で「実は緊張しています」と白状すれば、緊張がほぐれます。
白状した瞬間は恥ずかしいかもしれませんが、無理に隠したり繕ったりする必要がなくなるので、気持ちが楽になります。
取り乱した発言や態度があっても、軽微なら、寛大に受け止めてもらいやすくなるメリットもあります。
緊張をほぐしたいなら、素直に自分の緊張を認めましょう。
即効性がある上、誰でも使える方法です。