話が長くなってわかりにくくなるときがあります。
話の論点がわかりにくくなると、自分で話をまとめたくなるかもしれませんが、注意したいポイントです。
雑談の場合、まとめることが親切丁寧になるとは限らないからです。
雑談が下手な人は、強引に話をまとめようとします。
話が長くなると、すぐいらいらして、自分の言葉でまとめたがります。
「言いたいことは、つまりこういうことだよね」
「一言でまとめると、○○だね」
「結局のところ、○○だね」
本人は親切心から、話をまとめようとします。
もちろんビジネスなら、話をまとめたほうがわかりやすいでしょう。
交渉や会議など、話が長くなって論点がぼやけたとき、最後にわかりやすくまとめるのが得策です。
打ち合わせの最後に話し合ったポイントをまとめると、次のアクションも起こしやすくなります。
しかし、あくまで日常の雑談なら、話をまとめる行為に注意が必要です。
話をまとめると、話を区切ることになります。
まとめた瞬間「話が終わりました」「一件落着」「解散」などの雰囲気が出やすくなります。
まだ話は続くにもかかわらず、強引に話を区切るような流れになりやすい。
話をまとめられた側は「あなたの話はわかりにくい」と叱られているような印象も受けるでしょう。
まとめたとたん、話がつまらなくなる。
良かれと思って話をまとめると、かえって失礼になり、雑談の流れや雰囲気を悪化させることがあります。
雑談が上手な人は、自然な状態を楽しみます。
雑談の目的は、話を一言にまとめることではありません。
一言を、たくさんの言葉に広げることです。
話が膨らんだり脱線したりする様子をありのまま楽しむことこそ、雑談の素晴らしさです。
雑談が上手な人は、まとまっていない様子を楽しみます。
雑談とは、空に浮かぶ雲を楽しむ行為に似ています。
一瞬として同じ形はなく、刻々と変わりゆく形を楽しみます。
まとまっていない様子を楽しむのが雑談です。
どうしてもわからないことがあれば、そのとき質問すればいいだけです。
まとめないほうが、雑談は楽しくなるのです。