雑談が下手な人は、常に正しい言葉を言います。
「正しい言葉を言ってどこが悪いのか」と思うかもしれません。
たしかに正しい言葉を言うのは人間関係の基本ですが、現実はそう単純ではありません。
場合によっては、雑談のテンションを下げたり雰囲気を悪くさせたりすることもあります。
時には、正しい言葉が人を傷つけたり落ち込ませたりすることもあります。
たとえば、勉強をサボりがちな人がいるとします。
勉強をサボりがちな人に、次のような言葉を言ったとします。
「勉強しないと落第するよ」
「この前もサボっていたよね。自己管理能力がないね」
「勉強をサボってばかりで、自分を恥ずかしいと思わないの?」
正しい一言です。
しかし、聞きたくない正しい言葉もあります。
自分のプライドを傷つけたり、自己嫌悪を促したりする言葉は、正しい言葉であっても聞きたくない。
相手は元気をなくしたり、不快を感じたりするでしょう。
正しい言葉ばかりでは、堅苦しさが生まれ、会話が説教のようになる場合があります。
では、どうするか。
雑談が上手な人は、正しい言葉より、相手が言ってほしい言葉を言います。
たとえば、勉強をサボりがちな人に対しても、相手が言ってほしい言葉を言います。
「勉強のやる気が起きないときがあるよね」
「何か勉強に集中できない悩みでもあるの?」
「気分転換するのはどうかな」
相手は心の中で「そうそう。それを言ってほしかった」と喜ぶに違いありません。
相手が言ってほしい言葉を言うと、相手はリラックスでき、心を開きます。
正しい言葉より、相手が言ってほしい言葉を言うことが、雑談を盛り上げるコツです。
さて、相手が言ってほしい言葉は、どうすれば見つけられるのか。
考えるのは難しそうですが、コツをつかめば簡単です。
とことん相手の立場になって考えるだけです。
本人になったつもりで相手の立場を想像すれば「こんな言葉を言われたい」という言葉が自然と浮かびます。