よく誤解をしている人が多いのですが、片思いのままだと、いつまで経っても幸せになれないと思っている人がいます。
両思いだから幸せで、片思いだから不幸だ、ということではありません。
片思いも、十分幸せなときであることに気づきましょう。
世の中には、ずっと思い続けることで、自分が幸せ気分に浸ることができるという利点があります。
憧れは、憧れのままであってほしいという願いから、あえて告白せずそのままにしておくのです。
私が高校で体操部に所属していたころ、マネージャーの女性が「好きな人ができた」と打ち明けてくれたことがありました。
「じゃあ、告白しようよ」と提案しましたが、彼女は「このままでいい」と言いました。
「告白すると振られるかもしれない。今の幸せが壊れてしまうなら片思いのほうが幸せだよ。憧れは、憧れのままでいてほしい」
彼女は、あえて両思いになることをやめ、片思いのまま、憧れを憧れのままにしておく選択をしたのです。
「なるほど、そういう考え方もあるな」と思いました。
実際の彼女には、両思いになるより、片思いのほうが、気持ちが大きくいられるから片思いのままでいたいというのです。
彼女は最後まで好きな人には告白せず、片思いの幸せを味わっていました。
甘く切ない恋ですが、これも1つのきれいな恋愛です。
私は以後「好きな人がいるからとはいえ、両思いにならなければ幸せにはなれない」と考えるのを改めました。
現実には、片思いでも十分に幸せになれている人もいて、安心したくらいでした。