中学を卒業した私は、高校生活が楽しみでした。
高校には、中学のころから強い憧れがありました。
テレビや雑誌などで、楽しく過ごす高校生を見ていた影響を受け、高校が待ち遠しくてたまりませんでした。
特に大きかったのは「高校で自分を変えてやる」という意気込みです。
中学までの私は引っ込み思案でした。
勉強嫌いで、消極的で、マイナス思考でした。
高校生になったのを機に、絶対に自分を変える決意をしていました。
今でも覚えている、印象的な出来事があります。
高校生活、初日のことです。
クラスの担任する先生は、簡単な挨拶をした後、さっそくクラスの係を決めようとしました。
先生も生徒も、お互いのことをよく知らない状態です。
どうやって決めるのかと思っていると、先生は、うまいアイデアで決めようとしました。
黒板に係の名前だけを書き、みんなに希望する係のところに名前を書いてもらおうとしたのです。
私は「ここだ」と思ったのです。
学級委員の欄に、自分で自分の名前を書いたのです。
あえて大変なことに、自分から飛び込んでみました。
「そのくらいやらないと、自分は変われない」と思ったのです。
高校初日で、テンションが上がっていたので、勢いもありました。
学級委員を立候補したのは、私だけでした。
その日から「委員長」というあだ名で呼ばれ、高校生活がスタートしたのです。
委員長と呼ばれる立場上、しっかりしなければなりません。
そのプレッシャーがちょうどよく、いい高校生活がスタートできたのです。