一生懸命の実感は、一生懸命になっているときには、わかりません。
一生懸命になると、自分の心を振り返る余裕がなくなります。
振り返る余裕がないほどの状態だから、一生懸命です。
受験勉強中は、自分が一生懸命であることに気づきません。
恋愛中も、自分が一生懸命であることに気づきません。
仕事中も、自分が一生懸命であることに気づきません。
「一生懸命」という仕組み上、仕方ありません。
一生懸命は、後になって気づきます。
人生が一区切りついて落ち着いて、ふと過去を振り返ったときです。
「そういえばあのとき、一生懸命だったな」と思います。
一生懸命とは、そういうものです。
それが、人生です。
実はあなたは今も、一生懸命になっています。
「まさか」と思いますが、自分では気づかないだけです。
少なくとも、この文章を必死になって読んでいるのは、一生懸命になっている証拠です。
人生に迷いながらも、必死になって前に進もうとしている様子がうかがえます。
自分では「こんなものなのかな。これでいいのかな」と思いますが、そんなものです。
一生懸命の実感は、一生懸命になっているときは、わかりません。
しばらくして生活が落ち着いてから、気づくでしょう。
「そういえばそのときは一生懸命だったな」と、懐かしむのです。