中学生のころ、優しいMちゃんという女の子がいました。
優しくて、礼儀もしっかりし、頭もいい女の子です。
「清く、正しく、美しい」という印象の女性でした。
当然、学級委員も務めていました。
クラスの誰もが「Mちゃんくらい、きちんとした人はいないね」と言います。
そんなMちゃんと接する男子には、面白いパターンがありました。
Mちゃんと接している男子はみんな「優しいな。自分のこと好きなのかな」と思います。
Mちゃんが、優しいからです。
優しく接してくると、男性は勘違いをします。
しかし、です。
そんな人気のMちゃんでしたが、実際に誰かと付き合う話はありませんでした。
原因は、Mちゃんです。
Mちゃんの誰にでも優しい態度だったのです。
男性は最初、優しく接してくるMちゃんにどきっとします。
Mちゃんは、本当に、誰にも平等に優しく接します。
しばらくして、誰にでも優しく接しているMちゃんに気づき「自分だけ特別ではないのか」と思い、恋心が冷めてしまうのです。
たしかに誰にでも優しく接するのは、人として理想的です。
しかし、恋愛に限っては、例外です。
好きな人の前だけ、特別に接する様子を見せることです。
好きな人の前では、いつも以上に気が利いて、優しく、表情が豊かな自分を表現します。
演技でいいのです。
特別に接している様子は、相手にもわかります。
彼は「自分の前だけ特別に振る舞ってくれているなあ。もしかしたら自分のことが好きなのかな」と思うようになります。
告白をしなくても、告白しているような雰囲気になるのです。