ある日のこと、目の下に青色のくまを作っている人がいました。
「疲れた顔になっているよ。どうしたの」と聞くと「睡眠不足で死にそう」と言います。
「きっと夜遅くまで残業したのだろう」
そう思っていると、意外な返事が返ってきました。
夜遅くまで半身浴をしていたというのです。
予想しなかった返事に、驚きました。
彼女は「半身浴で汗をかくと、疲れが取れて、寝つきがよくなる」といいます。
事実、半身浴は、リラックスや美肌に効果があります。
汗が出ることで、毒素が出て体が浄化され、気分もすっきりして、睡眠の質も上がりやすいのです。
しかし、いくら健康と美肌によいとはいえ、睡眠時間を削ってまで実践する習慣ではありません。
それでは意味がないのです。
半身浴でどんなに気分がすっきりして寝つきがよくなっても、睡眠不足になれば、いらいらしやすくなります。
健康や美肌にいい習慣だとわかれば、一心不乱に、そればかりに集中する人がいます。
健康や美肌を意識すればするほど「半身浴は絶対しなければいけないものだ」と考えるようになります。
手段が目的になっています。
また、睡眠不足で体調が悪いときに、無理をして半身浴をするのは、かえって健康を害します。
脳出血や心筋梗塞を起こすリスクもあります。
半身浴はあくまで理想であり、絶対ではありません。
半身浴で疲れは取れますが、睡眠でも疲れは取れます。
時間がなければ、睡眠時間を優先しましょう。
半身浴は、時間があるときにする程度で、十分です。
たっぷりした睡眠を取っていれば、半身浴をしなくても、元気になれるのです。