美白化粧品には、しみを予防するほか、すでにあるしみを薄くする効果もあります。
テレビや雑誌などでは、魔法のような効果をうたっています。
しかし、オブラートに包んだ表現であり、完全な事実ではありません。
事実をはっきり伝えると、美白化粧品はどんなしみでも薄くしたり消したりできるわけではありません。
美白化粧品が効くのは「できたばかりのしみ」です。
しみができる原因から考えましょう。
しみは、メラノサイトの異常によってできるものです。
初期の段階なら、肌の浅い部分にあるため、新陳代謝のバランスを整えることで、できたばかりのしみは排出されます。
さらに、美白化粧品によって、メラノサイトの働きを抑制でき、薄くできます。
タイミングがよければ、消すこともできます。
しかし、厄介なのは、時間が経ってしまったしみです。
古くからあるしみについては、単純ではありません。
紫外線や老化などでメラノサイトが異常になると、黒いしみをどんどん作り出してしまいます。
そのため、しみには、色が濃くなったり、大きく広がったりする性質があります。
横に広がるだけでなく、肌の奥にまで、深く広がってしまうのです。
スポンジの上にのったハンカチを想像しましょう。
スポンジ部分が皮下組織だとすると、ハンカチは角質層です。
メラニン色素を作り出すメラノサイトは、スポンジとハンカチの間にあります。
古くからあるしみは、ハンカチではなく、スポンジの部分にまで染み込んでいる状態です。
新陳代謝は、ハンカチの部分で行われるので、古くからあるしみは、新陳代謝が行われるより深い部分のため、排出されません。
こうなってしまうと、残念ながら新陳代謝は関係ありません。
美白化粧品でも太刀打ちできません。
新陳代謝が行われるより深い部分のしみは、排出する機能がないため、残ったままになります。
美白化粧品を使っても効果がないのです。
まったく効果がないとは言いませんが、大変効果が小さいと考えていいでしょう。
できるとすれば、薄くする程度の効果です。
ただし、完全に諦めることもありません。
こうした古くからあるしみについては、レーザーによる除去が最も効果的です。
費用と勇気があれば、挑戦してもいいのではないでしょうか。