メイクでは、数多くの道具を使います。
とりわけブラシ類は、たくさんの種類があります。
チークブラシ、ハイライトブラシ、シェーディングブラシ、コンシーラーブラシ、フィニッシングブラシ。
アイシャドーブラシ、スクリューブラシ、アイブロウブラシ、アイライナーブラシ、リップブラシ。
ずらりとブラシを眺めていると、似た形のブラシがあることに気づきます。
たとえば、チークブラシとハイライトブラシは、そっくりです。
しかも、チークとハイライトは、入れる場所も似ています。
すると、ふと、ある考えが心に浮かびます。
たくさんのブラシを使い分けるのが面倒なので、1本のブラシを兼用できるのではないかと思うのです。
なかなか鋭い視点ですが、よくありません。
ブラシを、よく見てみましょう。
毛の柔らかさ、毛の長さ、毛の量、毛先の具合など、わずかに異なっているはずです。
このわずかな違いが、大きな違いを生みます。
なぜ、わざわざ別々のブラシが用意されているのでしょうか。
それは、ブラシのポテンシャルを最大限に引き出すためです。
もし1本のブラシを兼用してしまうと、ブラシのポテンシャルが発揮できなくなります。
また、ブラシに複数の種類の粉が混じってしまうため、発色も悪くなり、メイクの仕上がりが悪くなります。
面倒という気持ちがあっても、やはりそれぞれの役割に応じたブラシを使い分けるのが、一番です。
複数のブラシを使い分ける姿勢は、美しくメイクを仕上げるための登竜門なのです。