「腹を割って話そうではないか」
上司に宴会で酔った勢いから、そう言われることがあります。
「そうだな。上司から本音で話してもいいと言われているし、たまには堅苦しい雰囲気は抜きにして、本音で話そうかな」
ここで本当に本音で話そうとする人がいるのです。
相手が親友なら、まだいいのです。
親友とはまさに、本音で話し合える関係です。
遠慮のない、率直に言うことで、本当に信頼し合えます。
もちろん時には喧嘩もありますが、本当のことを言ってくれるからこそ、かけがえのない存在なのです。
しかし、いくら本音とはいえ、会社上の付き合いは別です。
よくありがちな失敗は、本音の出しすぎです。
「会社の経営が危ないですよ」
「社長、最近、はげましたか」
「前から思っていたんですが、体臭がひどいですよ」
いくら上司から本音とはいえ、本当に本音をさらけ出しすぎるのはよくありません。
次の日から、出社できなくなります。
出社しても、机がないかもしれません。
いくら本音とはいえ、会社では最低限の人間関係があります。
上司から「本音で話し合おう」という言葉は、うのみにしないことです。
あえて言うなら、本音を言っているふりです。
いつもより少し砕けた口調で話したり、プライベートな話をしたりなどする程度に抑えておきましょう。
会社の付き合いに、無礼講はないのです。