旅行者は誰でも、できるだけお金をかけないようにしたがります。
貧乏の人でもお金持ちでも、やはり必要な金額が小さいほうが助かります。
「無駄なお金はかけたくない。できるだけ旅費は抑えたい」
これはすべての人に共通する意識でしょう。
しかし、旅慣れた人は、お金はかけない意識がありながらも、少し違います。
お金をかけないようにしつつも大切なポイントでは、しっかりお金を使います。
そのポイントとは「安全」です。
旅行の達人は「安全はお金で買うもの」という意識が強い。
人一倍強い、と言っていいでしょう。
貧乏な人はすべてにおいて節約しようとします。
飛行機のチケット代やホテル代など、あらゆる点で格安を選ぼうとする。
たしかに旅費の節約にはなっていますが、安全面も下げてしまっています。
旅慣れた人は、安全こそ、お金をかけようとします。
たとえば、チップです。
チップを先に支払うのも、より良いサービスを受けやすくするためだけではありません。
本当の意味は、安全を買うためです。
チップを先に受け取ることができるだけで、サービスマンは「この人は信用できる」と思います。
お金を持っていることがわかると「この人は課長や部長なのかな」と信用されやすくなり、身の安全を守る効果があります。
人間とは不思議です。
お金を持っている人は、人としてもしっかりしているような印象を持たれやすくなります。
ホテルのグレードでも、けちりません。
「ホテルで旅の印象が決まる」という理由もありますが、やはり防犯面がしっかりしているためです。
防犯面が充実していて、言葉がわかる専門スタッフ、地理に詳しいコンシェルジュがいるほうが、安全で確実です。
万が一がないように、ホテルのグレードには、しっかりお金をかけるのです。