普通、私たちが散歩をするときは「保守的」になっています。
遠くまで歩いてみたい気持ちはあっても「戻れること」を前提に歩いています。
「この先の道は歩いたことがないな。歩いたらきちんと戻って来られるだろうか」
「もう少し先を歩きたいけど、戻るときの体力はないから諦めよう」
歩いても戻れる道を歩いたり、歩いたとしても、歩いて戻れるだけの体力などを考えたりします。
そのため、なかなか思いきった散歩ができません。
往々にして、同じ道を歩いてばかりになりがちです。
しかし、散歩の達人は違います。
恐れを知らない冒険家です。
「歩いて戻れる」とか「歩いて戻れるだけの体力」など小さなことは考えず、どんどん歩きます。
では、道に迷って迷子になったときは、どうするのでしょうか。
近くにいる人に、道を聞けばいい。
人がいない山奥となれば話が別ですが、普通に街を歩くなら、さほど心配する必要はありません。
もし、歩いて戻れる体力がなければ、乗り物を使って戻ればいい。
「一番近いバス停はどこですか。一番近い駅はどこですか」と聞きましょう。
わずかなお金があれば、交通費くらいはあるはずです。
最悪、タクシーを使ってもいい。
どんなに遠くへ歩いてしまっても、そこに人がいるなら、迷子になろうと思っても、必ず助けてくれる誰かがいます。
そう考えると、何も怖いことはありません。
いい年して迷子になることを恐れることはありません。
いい年して迷子になるのを前提に、どんどん歩いてしまいましょう。
どんどん歩いているうちに、散歩の達人になっているのです。