犬と戯れていると、急に犬がひっくり返ってあおむけになり、おなかを見せてくることはありませんか。
初めてみたときは、何をやっているのかと思います。
これは「参りました」という「完全な服従」を意味しています。
人間でいう「降参しました」「それ以上攻撃しないで」と白旗を掲げている状態です。
飼い主と戯れていると、飼い主との力関係を感じて、飼い犬が完全なる服従を表現することがあります。
もちろん犬同士でも見られます。
初対面から仲良くなる場合もありますが、犬同士の相性によっては、出会うやいなや牙をむいて均衡状態になることがあります。
しばらく小競り合いが続けば、どちらのほうが力は上なのかがだいたいわかり、下だと思った犬はあおむけになるはずです。
すると、小競り合いは収まり、一転して仲良くなるはずです。
それは、犬の上下関係が明確になったためです。
上下関係がはっきりすることで、偉そうにする上司と、こびを売る部下のようにどういう態度で接するべきかが明確になりました。
しかし、またなぜおなかなのでしょうか。
おなかは毛が少なく、皮膚も薄くて傷つきやすく、犬の体の中でも弱点にあたるところです。
そこを自分から見せることで「完全に譲歩しています」という意思を表現できます。
もし飼い主の前で犬が突然こういう態度を取れば、それ以上犬と戯れるのはやめて、優しくさすってあげるといいでしょう。