父親として気をつけたい言葉があります。
「家族サービス」という言葉です。
家事や子育てをしている父親が、つい口にしてしまう言葉です。
「たまには家族サービスをしてやらないといけないなあ」
「家族サービスで週末は、家族で温泉に行こう」
「家族サービスで、子育てを手伝おう」
優しいお父さんというイメージがありますが、実のところよくない表現です。
父親の心の内が見えてきませんか。
「家族サービスで家事や育児を手伝おう」という父親の発言に、母親はひそかに傷ついています。
家族サービスといっている時点で「家事や子育ては母親がするもの」という意識が感じられるからです。
「本当は面倒くさくてやりたくない。仕方ないやってやるか」という高慢さが感じ取れます。
家事や子育てを、一緒に協力して進めていこうとする気持ちが薄い。
サービスでやろうという意識が事務的です。
たしかに家事や育児は、母が主担当になるケースが多くあるでしょう。
しかし、主担当とはいえ、母専属の仕事という意味ではありません。
父親はサブ担当です。
時間があるときには協力して当然であり、手伝って当然です。
そこに「サービス」という言葉は存在しません。
本当にいい父親は、そんな失礼な言葉を使ったりしないのです。