レストランで食事をするときには、食べた食事に対してお金を払うことになります。
サービス業では「お客さまは、神様」という格言があります。
ときどき、この言葉を傘にして、偉そうにお金を払うお客さまがいて、残念に思います。
たしかにレストランにとって、お客さまは大切な存在です。
お客さまなしでは、経営も成り立ちません。
だからとはいえ、偉そうにお金を払うのは、かっこいいマナーとは言えません。
お金を払うときには「払ってやる」ではなく「払わせていただく」という気持ちを持つことが大切です。
お金は、感謝を伝える1つの手段にすぎません。
しかし、お金で感謝すべてを伝えることはできないのです。
お金を払うときには、気持ちのないお金に、気持ちを込めて払うと、かっこいい支払い方になります。
それが「お金を払わせていただく」という考え方です。
実際に、お客さまがお金を払わせていただくという気持ちは心の問題ですから、目には見えません。
しかし、です。
わかるのです。
「謙虚さ」に表れるからです。
お金を支払うときに両手で差し出すところ。
おつりを受け取るときにも両手を差し出すところ。
お金のやりとりのときに、笑顔もセットになっているところ。
こうした様子で、お客さまの態度を見れば、どういう気持ちでいるのかがわかるのです。
お金持ちが、かっこいい人というわけではありません。
お金に気持ちを込めて支払いができている人が、かっこいい人です。
お金を支払うときには「払わせていただく」という謙虚な気持ちでいることが大切なのです。