あなたは旅行に行ったとき、どんなところを優先的に見て回りますか。
やはり「観光地」は外せませんよね。
その土地柄がよく表れた有名な観光地は、優先していきたいと思って当然です。
しかし、ちょっと待ってください。
本当に観光地は、その土地柄が最も表れている場所なのでしょうか。
観光地は、外からやってきた客向けにお化粧をした場所です。
不自然に飾り立て、不自然に人が多く、不自然に賑やかです。
それは商売を目的としている場所ですから、仕方ありません。
商用になってしまったので、自然な風土が失われ、不自然な状態になっています。
お化粧をした女性の肌が、本来の肌ではないように、お化粧をしている観光地も、実はその土地柄があまり表れていません。
では、本当に土地柄が表れているのはどこかというと、観光地以外の場所です。
何でもない場所こそ、本当の観光地としてうってつけです。
たとえば、一般のお店・平凡な本屋・単なる一般道などです。
バスや地下鉄・川の色・人の雰囲気。
本当の土地柄や風土は、そういう「何でもない場所」にこそ、表れています。
そういうところのほうが、本当に土地柄や風土がよく表れており、観光する価値があります。
皮肉にも、観光地以外の場所のほうが、観光地らしい。
旅行に行って、土地柄を学ぼうと思ったら、何でもない場所のほうがよくわかります。
観光地だけを見て回り「ああ旅行を楽しんだ」という気分にだけ浸っていませんか。
もちろん観光地も大切です。
しかし、観光地以外の平凡な場所のほうが、はるかに土地柄を強く感じられるはずです。