本は、くしゃくしゃにしてこそ、意味があります。
手の垢で汚れ、紙がすり切れるまで使ってこそ、本も喜びます。
本が生かされることほど、本にとって嬉しいことはありません。
本は、大胆に使うことです。
蛍光ペンでラインを引いて、書いてあることを積極的に吸収します。
気に入った部分がページ全体に広がるところは、ラインを引くのが面倒なので、ページごと破ってかまいません。
「本に線を引くと、作家に失礼」
「ページを破ると作家に申し訳ない」
優しい気持ちは素晴らしいのですが、優しすぎます。
本は活用してこそ、意味があります。
「使われること」を前提に本は存在するのであって、どんどん「使うこと」が仕事なのです。
私は電車の中で読書をして、よく本を破ります。
びりっと音がして、よく隣の人に驚かれます。
たくさん破いて、大切な部分だけ抜き出すのです。
大切なところだけ、何度も繰り返して読みます。
蛍光ペンでラインを引いたところだけ、復習でもう一度読みます。
そういう作業が、読書には必要です。
本を借りたのでは、こうしたことはできません。
古本屋に売る前提なら、できません。
新品のようにきれいな状態を意識したままでは、本に何も手をつけることができません。
文字を目で追うだけになります。
読書はスポーツですから、もっとたくさん体を動かす必要があるのです。