偉そうにしている人は、料理の取り分けをしません。
ほかの人に、取り分けをさせます。
自分で取り分けることは、プライドに傷がつくと思っているのです。
偉い人に見せるために、自分が取り分けなどしては、かっこがつかないと思っています。
しかし、こういう態度こそ、本当にかっこ悪い。
偉そうにしてプライドを大切にしすぎると、往々にしてサービスをする側ではなく、受ける側に回ってしまいがちです。
それはズボンをはかせてもらう子どもと同じなのです。
子どもがズボンをはかせてもらうのは、自分ではくことができないからではなく、お母さんに甘えているからです。
子どもが求めているのは、偉そうにズボンをはかせてもらうことではありません。
はかせてもらうことで愛と接触できることを期待しているからです。
お母さんに甘えて、自分を大切にしてもらいたいから、はかせてもらおうとするのです。
偉そうにする人も、実はこれと同じです。
料理の取り分けくらい、誰でもできることです。
大人でなくても、子どもでも十分にできます。
しかし、それをしようとしないオヤジは、自分でもできるけれど、してもらうことで、愛を感じたいと思っているからです。
気を使ってもらいたい、大切にされたいと甘えている姿にすぎないのです。
大人になるにつれて、偉そうにしている人は甘えん坊になって子どもへと逆行している状態です。
「プライドを大切にしている」と言葉では言いながら「実は面倒を見てもらいたい、気を使ってもらいたい」と甘えているのです。
本当にかっこいい人は、自分のことを自分でするだけでなく、相手のために行動します。
料理の取り分けをしてもらうのではなく、取り分ける側に回ります。
面倒を見てもらう側から、面倒を見る側に回ることで、初めて大人になるのです。
サービス精神のある人は、かっこつけず、出てきた料理を相手のために取り分けます。
男性でも女性でも、この心がけは大切なポイントです。
偉そうにふんぞり返っている人は、偉い人ではなく、実は子どもだったのです。