賢い人と言えば「頭の回転が速い」というイメージを持つ人があるのではないでしょうか。
物事を把握するスピードが速い。
一瞬で問題の解決策を導き出せる。
難しい問題であっても、素早く判断を下せる。
賢い人は、頭の回転が速いので「スピード」が伴う印象があります。
そのため、賢い人になりたいなら、できるだけスピードを意識して考えようと思いがちです。
ここに落とし穴があります。
速く考えることができても、考えが浅くては意味がありません。
素早く決断できても、間違った決断では逆効果です。
場合によっては、仕事をやり直すことになって、迷惑や二度手間が生じることもあります。
いくら速く考えることができても、漏れや間違いがあれば、賢い人とは言えません。
スピードにこだわると、賢明な思考や判断の妨げになります。
賢い人には、頭の回転が速い人もいますが、それはあくまで結果です。
経験と実績をたくさん積み重ねてきた結果、慣れと上達によって正確な判断を速く下せるようになっています。
最初から速さにこだわると、足元にある落とし穴に気づかず、大けがをすることになるでしょう。
大切なのは、速く考えることではありません。
深く考えることです。
賢い人になりたいなら、速く考えることは後回しにして、最初は深く考えることに集中するのが得策です。
誤解・間違い・見落としがないよう、じっくり考える。
1つの視点で満足せず、2つ以上の視点から考察する。
1つの正解にこだわらず、ほかの可能性も探ってみる。
独りよがりにならず、ほかの人の意見も取り入れてみる。
時間はかかってもいいので、じっくり考える時間を設けてください。
制限時間があるなら、事情がないかぎり、ぎりぎりまで考えるようにしたい。
正解が見つかっても、本当にこれで間違いないだろうかと再検証する余裕も持ちたいところです。
スピード思考を最初から求めるのではありません。
スピード思考は、後から身につくことです。
深く考える経験を積み重ねていくにつれて、だんだん速く考えることもできるようになります。