ダイエットを始めると、だんだん自分を客観視しにくくなります。
ダイエット中は、いつも以上に自分を見つめる状態になります。
自分に集中していると、主観的になれても、客観的になりにくい。
「痩せたい」という願いが強ければ強いほど、わずかな脂肪すら大きく感じられます。
やせ細った自分さえ、見慣れてくると普通に見えてきます。
時には、十分スリムなのに、太っているように見えるから不思議です。
自分から見た自分が、正しいとは限りません。
自分で自分を見ると、感情や先入観が真実を曲げ、自分を正しく見られなくなることがあります。
そこで大切なのが、人からの注意です。
人から注意された言葉に注目すれば、自分の客観的な様子を確認しやすくなります。
特に厳しい注意ほど耳を覆いたくなりますが、真実である可能性が高いため、誠実に受け止めることが大切です。
ダイエットに失敗する人は、人の注意を無視します。
「痩せすぎだよ」と言われても「そんなことない」と否定します。
「もうダイエットはやめたほうがいい」と忠告されても「とんでもない。もっと痩せたほうがいい」と否定します。
軽く聞き流し、真面目に取り合わない。
「他人に自分の何がわかるのか」と言わんばかりの雑な対応です。
そのため、限度を超えたダイエットになりすぎることがあります。
人の注意を無視して、自分の理想を追い求めます。
理想に向かっているつもりですが、実際は破滅の道に突き進んでいるのです。
ダイエットに成功する人は、他人の厳しい注意ほど熱心に聞きます。
親から「それ以上痩せないほうがいい」と注意されたら、否定したい気持ちをこらえ、自分を見つめます。
あらためて自分を見ると、たしかに親の言うとおり、十分スリムだと気づくことがあります。
友人から「もう少し太ったほうがいい」と指摘されたときも、言い返したい気持ちを我慢します。
鏡で冷静に自分を見ると、痩せるより太ったほうがいいと気づくこともあります。
人の注意を素直に受け止めると、見失っていた客観性を取り戻せます。
誤ったダイエットを防ぎやすくなるのです。