グループディスカッションには、基本的な流れがあります。
状況によって異なる点もありますが、おおむね基本的な流れは同じです。
あらかじめ流れを把握して、スムーズに対応できるようになっておきましょう。
グループディスカッションでは、大きめのノートを持参しましょう。
小さなメモ帳でもいいのではないかと思いますが、少し物足りないのです。
なぜ、小さなメモ帳では不十分なのか。
グループディスカッションの特徴は、個人単位よりグループ単位で評価されやすい点です。
たとえば、2つのグループがあるとします。
1つは、議論が活発で、盛り上がっているグループ。
グループディスカッションでは、大きく分けて、5つの役割が存在します。
それぞれに、役割・メリット・デメリットが異なるため、ポイントを押さえておきましょう。
▼司会者
グループディスカッションで、最も高い評価を得やすい立場はあるのでしょうか。
実はあります。
ずばり、司会者です。
議論を始めるにあたり、最も大切なことは何でしょうか。
楽しむことです。
グループディスカッションに参加するときは、まず楽しむことを意識しましょう。
議論を始める前、参加者と会話する時間があれば、ぜひ会話をしておきましょう。
軽い挨拶や雑談だけでも、十分です。
「どんな議論か楽しみですね」
やりたい役もあれば、やりたくない役もあります。
場合によっては「複数の役を担当したい」と希望する人もいるかもしれません。
たとえば、ある1人が、書記とタイムキーパーを兼任するような状況です。
グループディスカッションでは、出題されたテーマについて話し合います。
出題されるテーマは、当日になってみないとわかりません。
さて、このテーマがやっかいです。
グループディスカッションでは、まず意識が大切です。
「メンバー全員が通過するぞ」という仲間意識です。
自分だけ目立ったり、誰かを否定したりするのはよくありません。
他人の意見が間違っていると思っても、指摘の仕方が大切です。
「あなたは間違っている」「全然わかっていない」など、相手の意見を完全否定する言動はよくありません。
いくら鋭い意見でも、偉そうな言い方では、相手もむっとするでしょう。
グループディスカッションでは、ある誤解があります。
「正論を言う人が評価される」という誤解です。
たしかに正論は、周囲からの納得が得られやすく、堂々と意見を発言しやすくなるでしょう。
議論が複雑になると、頭が混乱してくる場合があります。
「誰が、何を話したのか」「何をすれば、どうなるのか」などです。
グループディスカッションでは、時間に限りがあります。
個人面接や集団面接では、目の前に採用担当者がいるため、誰もが癖に注意します。
意識しなくても、意識せざるを得ない状況です。
目の前に採用担当者がいれば「見られている。評価されている」という自覚が強く、癖にも気をつけるでしょう。
発言したくても、発言しにくい状況があります。
議論が白熱しているときです。
一瞬の隙もないほど、言い合っている状況では、割り込むタイミングがつかめません。
聞く姿勢も、コミュニケーションの1つです。
グループディスカッションでは、発言が恥ずかしくて、聞く姿勢で勝負をしたい人もいるかもしれません。
グループディスカッションは、発言しないと評価されないのでしょうか。
議論を活性化できるかどうかは、話す人しだいと思いますが、実際は逆です。
聞く人の態度しだいです。
自分が話したとき、相手から何も反応がないと、不安になります。
グループディスカッションでは、目立ちにくい立場が2つあります。
書記とタイムキーパーです。
書記の役目は、話の要点をまとめ、記録することです。
グループディスカッションでは、やはり発言することが大切です。
無言を貫いて高い評価を得るのは、ほぼ不可能です。
発言がなければ「議論に参加していない」と見なされ、確実に評価が低くなります。
自分が司会者になれば、心がけたいことがあります。
全員に話を振る気配りです。
グループディスカッションが始まれば、発言する人に偏りが出ることがあります。
本来、司会者は、全員に話を振るのがマナーです。
話す人に偏りが出ると、議論にも偏りが出るため、発言を控える人には促す配慮も必要です。
慣れた司会者なら「○○さんはいかがですか」という一言で、うまく全員に話を振ってくれるでしょう。
グループディスカッションでは、誰かが司会をします。
司会者がうまければいいのですが、残念ながら、不慣れでうまくいかない場合もあるでしょう。
仕切るのが下手だったり、曖昧な話し方だったり、声が小さかったりなどです。
グループディスカッションでは、聞く態度も大切です。
だらしない態度で聞くのはよくありません。
話を聞くとき、次のような態度に心当たりはありませんか。
グループディスカッションでは、話し合う時間が与えられます。
みんなで意見を出し合うと、意外に話がスムーズにまとまり、早く結論が出る場合があります。
たとえば、45分の時間を与えられても、30分で結論が出てしまう状況です。
グループディスカッションでは、さまざまな意見が出ます。
中には、自分と逆の意見も出て、ぶつかることもあるでしょう。
「人と対立したくない。相手の気分を害したくない」という人は、つい相手の意見に合わせるかもしれません。
グループディスカッションでは、ある伝説があります。
「最も多く発言した人は不採用になる」という内容です。
「そんなばかな」と、笑ってしまう内容ですね。
グループディスカッションでは、最終的に結論を出さなければいけません。
「みんなで話し合ったが結論が出なかった」では、採用担当者からよい評価は得られないでしょう。
話し合うからには、何らかの結論を出す必要があります。
結論を出すシンプルな方法があります。
多数決です。
「賛成の人は手を挙げてください。反対の人は挙げてください」
残り時間10分になれば、結論をまとめる段階に入りましょう。
この段階で、発表の代表者を選びますが、陥りがちな盲点があります。
「発表者は1人」という先入観がないでしょうか。
グループディスカッションでは、最後に代表者が結論を発表します。
発表者をグループ内で決めますが、話し合う前に、基準にしたい選び方があります。
発表者は、発案者が対応すると、スムーズです。