迷惑な行為をやめてほしいとき、あなたなら、どう伝えますか。
「迷惑です」
「迷惑なのでやめてください」
こうしたストレートな言い方になることが多いのではないでしょうか。
わかりやすくてストレートな一言ですが、実はあまりよくない表現です。
「迷惑なのだから『迷惑』と伝えて何が悪い」と思いますが、正しいことを言えばいいわけではありません。
問題なのは言い方です。
感情的な一言であり、余計なトラブルを招く可能性があるからです。
ストレートに「迷惑」という言葉を使うのは、感情をぶつけることになるため、注意が必要です。
想像してみてください。
たとえば、あなたが相手から「迷惑だからやめてください!」と言われたとき、どう感じるでしょうか。
ストレートな表現でわかりやすい一方、感情的でとげがある一言のため、一瞬萎縮するのではないでしょうか。
むかっとして、反抗心が芽生えることもあるかもしれません。
とげのある一言には、とげのある一言で言い返したくなる。
場合によっては、喧嘩のゴングが鳴ってしまうこともあるはずです。
迷惑な行為であっても「迷惑」とは言わないほうがいいのです。
では、どうすればいいのか。
迷惑な行為を注意するなら「迷惑」以外の表現を使って伝えるのがスマートです。
たとえば、隣の部屋がうるさくて、苦情を言いに行くとします。
「うるさくて迷惑です」とは言いません。
「音が響いて寝られません。もう少し静かにしていただけないでしょうか」と言えば、スマートでしょう。
ごみ捨てのマナーを守らない住人がいて、苦情を言いに行くとします。
「指定日以外にごみを出されると迷惑です」とは言いません。
「ごみを出す日を勘違いされていませんか。燃えるごみの日は火曜日ですよ」と言えば、穏便に伝えることができます。
順番待ちに割り込んできた人がいて、注意するとします。
「割り込まれると迷惑です」とは言いません。
「すみません。最後尾はあちらですよ」と言ったほうが、相手を刺激せずに注意できます。
迷惑な行為であっても「迷惑」とは言わず、別の表現を使いましょう。
相手に聞きやすい言い方を心がけることで、トラブルを減らせます。