励ますときに注意したいのは、正論です。
落ち込んでいる人に、正論を言えば、きっとわかってもらえるだろうと思います。
「こういうときは、こうするべきだ」
「これが人としての正しい道だ」
正しい内容を教えるわけですから「きっと喜んでもらえるだろう」と思います。
「なるほど。そうだね。教えてくれてありがとう」と感謝され、明るくなることを期待します。
ところが、正論を言っても、相手の様子は変化しないことがあります。
むしろ、余計に落ち込ませることがあります。
正論を言うのは「あなたは間違っている」と言っているのと同じだからです。
正論を言えば言うほど、相手を責めることになる場合があります。
正しいことを言うのが、常に正しいとは限りません。
正論を言うときには、タイミングが大切です。
特に相手が落ち込んでいる場合は、正論に注意です。
落ち込んでいるときは、考え方がネガティブになっているため、正論を悪く受け止める傾向があります。
励ますときに大切なのは、正論より同情です。
「そうか。そういうことがあったんだね」
「大変だったね」
「よく耐えたね」
相手の苦しみや悲しみを同じように感じて、いたわりましょう。
自分と同じ気持ちになってくれる人に、優しさを感じ、ほっとします。
同情しているうちに、落ち込みから回復するのです。
正論を言うなら、元気になってからです。
元気な状態は、考え方がポジティブになっているため、正論も素直に聞けるのです。