においを感じやすい人もいれば、感じにくい人もいます。
人には、およそ4,000万個の嗅覚細胞があります。
あくまで「およそ」というところがポイントです。
この嗅細胞の数は、個人差があります。
特に際立つのは、人種による差です。
嗅細胞の数は一般的に、白人より黄色人種のほうが多く、黄色人種より黒人のほうが多くなります。
少ない人もいれば、多い人もいるのです。
もちろん嗅細胞が多いほど、においを感じやすくなります。
ただし、必ずしも正比例するとは言えないのが、嗅覚の面白いところです。
たとえば、他人に「何か臭うよ」と指摘されて鼻に意識を集中すると、いつもよりにおいが感じやすくなりますね。
嗅細胞の数が少なくても、意識を向けて集中すると、感じやすくなります。
視力を失った人は、健常者より、においに敏感になるのも同じ理由です。
目が見えない代わりに、鼻に意識が向くため、嗅覚が研ぎ澄まされるのです。
一方、風邪を引くと、一時的に鼻の感覚が鈍くなります。
嗅覚は個人差があるうえに、意識を向けたり状況に左右されたりなど、感じやすさが変わりやすい特徴があるのです。