一昔前まで、皮膚の専門医たちの多くは「塗りものによる効果は乏しい」という主張でした。
理由は、成分が深くまで浸透しないからです。
化粧水をつけても、角質層のバリアーによって、奥に浸透しづらい状態でした。
普通の成分では、角質のわずかな合間に浸透するのは無理があったのです。
ましてや、真皮に届くことなんてあり得ない。
たとえば、美白化粧水をつけても、深くまで浸透しないから意味がないわけです。
これは当時、実験によっても確認されていました。
皮膚科の医師たちの主張していたとおりに、塗りものによる効果は乏しかったのです。
しかし、時代は変わりました。
2,000年に入り「ナノテクノロジー」という分野が、飛躍的に進歩しました。
これは、成分の分子を大幅に小さくさせる技術です。
「ナノ」という長さの単位は聞き慣れないことでしょう。
1メートルの1000分の1が、1ミリメートル。
1ミリメートルの1000分の1が、1マイクロメートル。
1マイクロメートルの1000分の1が、1ナノメートルです。
1メートルを地球とすれば、1ナノメートルはゴルフボールくらいの大きさです。
想像絶する小ささなのです。
この技術によって、これまでは不可能だと言われていた常識が覆されました。
ナノテクノロジーによって、分子が小さくなった成分は角質層を浸透し、真皮まで達することが確認されたのです。
以前は不可能だったことが、可能になっています。
技術の進歩は、一昔前の常識さえ、覆してしまう力があります。
化粧品売り場で「ナノテクノロジー」という表示を見かけますが、浸透力が高いことを意味しています。
あくまで最新技術を使った化粧品の話ですが、今、そういう時代にきているのです。