「踊り場なんてなければいいのに」
踊り場とは、階段の途中に、やや広く場所を取った平らなところのことを言います。
私は昔、階段の踊り場は無駄と思っていた時期がありました。
踊り場があるせいで、歩く距離が長くなります。
無駄な場所だから、なければよいと思っていました。
しかし、踊り場には大切な役割があります。
「途中で休憩する場所」であり「うっかり転げ落ちたときの受け止め場所」です。
長い階段ほど、休憩する場所が必要です。
万が一、転げ落ちたときのけがを最小限に抑えることもできます。
無駄なように思える踊り場は、なくてはならない大切な意味があるのです。
実は恋にも、踊り場があります。
好きな人との関係は、最初は順調です。
知り合いから始まり、会話をするようになり、仲がよくなる。
友人関係になり、そのうち一緒に遊びに出かけるようになります。
しかし、いいところまで関係が進んだのに、急に進展がストップすることがあります。
友人関係までいけたのはいいが、恋人関係になれそうな寸前の中途半端なところで、進展がストップするのです。
恋の進展がストップするのは、珍しいことではありません。
むしろ必ずあります。
ここで焦るのはよくありません。
慌ててしまうと、逆に余計な時間やエネルギーを使って、悪化しかねません。
慌てる必要はありません。
踊り場に着いただけです。
順調に関係が進んだので、少し休憩するタイミングです。
踊り場で、もやもやした時間を決して無駄と考えないことです。
万が一、トラブルが発生したとき、別れにくくする予防措置にもなります。
前にも後ろにも進まない時期にも、いつもと変わらず接してくれると、安心できます。
「ああ。どんなときも一緒にいてくれる人だ」だと信頼されるようになります。
そういう人とは、トラブルがあっても、簡単には別れられなくなるのです。
恋の踊り場にくれば、悲しむのではなく、むしろ喜びましょう。