執筆者:水口貴博

和食の30の食事マナー

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吸い物の貝が問題だ。さて、どう食べる?

吸い物の貝が問題だ。さて、どう食べる? | 和食の30の食事マナー

吸い物の中には具があります。

どれも簡単に口にできる具ばかりといいたいところですが、1つ、食べ方に大変困る具があります。

貝類です。

貝の身を食べるとき、苦労しませんか。

貝の身は、太い貝柱でつながっているため、食べる前に切り離さなくてはなりません。

さすがに口先を使って、貝から身をがすのは、あまりに見苦しすぎます。

かと言って、わんの中に箸を入れて貝をいじくり回すのは、手間がかかりますし、椀を倒しやすくなります。

食べたいのに、食べられない。

さて、どうすればいいのでしょうか。

こういうときこそ使えるのが「蓋」です。

吸い物は蓋を開けた後、裏返して、盆の外に置いているはずです。

驚くべきことに、この蓋は小皿代わりに使えます。

椀の中で貝を食べようとするのではなく、一度蓋に移してから食べればいいのです。

これは和食において許容された食べ方であり、マナー違反ではありません。

こうすれば、手が滑っても吸い物を倒すことがなくなりますし、貝から身を剥がしやすくなります。

貝から身を剥がすときは、貝柱の部分を箸で柔らかくほぐすイメージでつまみます。

貝から身が剥がれた後は、手で椀を持ち上げて、口元まで運び食べます。

吸い物を飲み終われば、最後に蓋を元どおりに閉めるのがマナーです。

蓋を閉めるとき、残った貝殻は椀の中に移し替えておけばOKです。

和食の食事マナー(15)
  • 吸い物の蓋に貝を移してから、身を剥がす。
吸い物の蓋を開けたときの水滴。
あなたはどうしていますか。

和食の30の食事マナー

  1. 日本人の手先の器用さは、箸の文化が作った。
  2. 和食マナーの最大のポイントは、箸の使い方。
  3. 箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。
  4. 箸使いの美しさは、箸を取るときから始まっている。
  5. 前かがみになり、自分から食器に口を近づけて食べるのはマナー違反。
  6. 和食では、原則としてハンカチは使わず、懐紙を使う。
  7. 懐紙を使う、主な3つの場面。
  8. せっかく汚れを隠すために懐紙を使っても、その場に残していくのは意味がない。
  9. 懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。
  10. 割り箸は、左右に割るのではなく、上下に割るのが正しいマナー。
  11. 「食べ方は個人の自由」自由と思えるこの言葉には、思わぬ危険が含まれている。
  12. 季節によって会席料理のメニューが変わる大切な意味とは。
  13. 蓋付きの吸い物は、できるだけ早めに手をつける。
  14. 吸い物の蓋が開けにくいときの上手な対処法。
  15. 吸い物の貝が問題だ。
    さて、どう食べる?
  16. 吸い物の蓋を開けたときの水滴。
    あなたはどうしていますか。
  17. ご飯を口に含めたまま香の物を食べるのはいいが、吸い物をいただくのはよくない。
  18. 器を移動させるときの2つの注意点。
  19. 取った蓋は、盆の外に置くのがポイント。
  20. 箸を持ったまま、片手で器を持ち上げない。
  21. 手に持ってよい器。
    手に持ってはいけない器。
  22. 魚の骨の間から、身をつままない。
  23. 刺し身を食べるとき、醤油にわさびを混ぜるのは、控えたい食べ方。
  24. ご飯をおかわりするときのマナー。
  25. 食事中、箸を休めるときのルール。
  26. 使い終わった箸のマナー。
  27. つまようじは、使い方に注意が必要。
  28. 食べ終わった器を重ねない。
  29. おしぼりは、手を拭くためのもの。
    それ以外の用途で使わない。
  30. 食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。

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