執筆者:水口貴博

和食の30の食事マナー

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箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。

箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。 | 和食の30の食事マナー

箸は、和食の基本です。

箸の使い方は、和食マナーの善しあしと、大いに関係があります。

実は、和食マナーの大半は、箸の使い方が占めています。

箸の使い方さえ正しければ、和食のマナーの大半をクリアしていると言っても、過言ではありません。

昔、日本では「箸の使い方によって、育ちがわかる」と言われていました。

箸がどれくらい汚れているかによって、その人の育ちや教養などを推し量ったとされていました。

昔は、箸の汚れで許されるのは、箸先から1.5センチまでとされていました。

どきっとする人も多いのではないでしょうか。

もちろん昔の堅苦しい話ですから、さすがにこれをクリアするのは、大変なことです。

しかし、心がけとしては間違っていません。

箸先の汚れを最小限に抑えたい考えは、現代の和食においても同じです。

何気ない箸の使い方に、教養、器用さ、食事への感謝などが表れます。

普段の何でもないしぐさだからこそ、その人の育ちや教養が垣間見える部分なのです。

いかに美しく、いかに上品に食べられるかは、箸の使い方であり、箸の汚れ方しだいです。

さすがに箸先1.5センチは難しいですが、3センチまでなら、挑戦できる目安ではないでしょうか。

このことを心がけ始めると、なかなかよい効果を生み出します。

「箸ができるだけ汚れないように」というのは、抽象的ですね。

一方「汚していいのは、箸先3センチまで」という指示は、具体的です。

自分が手にする箸先の汚れ具合によって、客観的な判断がしやすくなります。

実際、普段のあなたはいかがでしょうか。

食事をする際、箸の汚れ方を振り返ってみましょう。

このことに気づけば、今からでも、改善は十分に間に合うのです。

和食の食事マナー(3)
  • 箸の汚れ方は、箸先3センチまでになるよう心がける。
箸使いの美しさは、箸を取るときから始まっている。

和食の30の食事マナー

  1. 日本人の手先の器用さは、箸の文化が作った。
  2. 和食マナーの最大のポイントは、箸の使い方。
  3. 箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。
  4. 箸使いの美しさは、箸を取るときから始まっている。
  5. 前かがみになり、自分から食器に口を近づけて食べるのはマナー違反。
  6. 和食では、原則としてハンカチは使わず、懐紙を使う。
  7. 懐紙を使う、主な3つの場面。
  8. せっかく汚れを隠すために懐紙を使っても、その場に残していくのは意味がない。
  9. 懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。
  10. 割り箸は、左右に割るのではなく、上下に割るのが正しいマナー。
  11. 「食べ方は個人の自由」自由と思えるこの言葉には、思わぬ危険が含まれている。
  12. 季節によって会席料理のメニューが変わる大切な意味とは。
  13. 蓋付きの吸い物は、できるだけ早めに手をつける。
  14. 吸い物の蓋が開けにくいときの上手な対処法。
  15. 吸い物の貝が問題だ。
    さて、どう食べる?
  16. 吸い物の蓋を開けたときの水滴。
    あなたはどうしていますか。
  17. ご飯を口に含めたまま香の物を食べるのはいいが、吸い物をいただくのはよくない。
  18. 器を移動させるときの2つの注意点。
  19. 取った蓋は、盆の外に置くのがポイント。
  20. 箸を持ったまま、片手で器を持ち上げない。
  21. 手に持ってよい器。
    手に持ってはいけない器。
  22. 魚の骨の間から、身をつままない。
  23. 刺し身を食べるとき、醤油にわさびを混ぜるのは、控えたい食べ方。
  24. ご飯をおかわりするときのマナー。
  25. 食事中、箸を休めるときのルール。
  26. 使い終わった箸のマナー。
  27. つまようじは、使い方に注意が必要。
  28. 食べ終わった器を重ねない。
  29. おしぼりは、手を拭くためのもの。
    それ以外の用途で使わない。
  30. 食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。

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