箸は、和食の基本です。
箸の使い方は、和食マナーの善しあしと、大いに関係があります。
実は、和食マナーの大半は、箸の使い方が占めています。
箸の使い方さえ正しければ、和食のマナーの大半をクリアしていると言っても、過言ではありません。
昔、日本では「箸の使い方によって、育ちがわかる」と言われていました。
箸がどれくらい汚れているかによって、その人の育ちや教養などを推し量ったとされていました。
昔は、箸の汚れで許されるのは、箸先から1.5センチまでとされていました。
どきっとする人も多いのではないでしょうか。
もちろん昔の堅苦しい話ですから、さすがにこれをクリアするのは、大変なことです。
しかし、心がけとしては間違っていません。
箸先の汚れを最小限に抑えたい考えは、現代の和食においても同じです。
何気ない箸の使い方に、教養、器用さ、食事への感謝などが表れます。
普段の何でもないしぐさだからこそ、その人の育ちや教養が垣間見える部分なのです。
いかに美しく、いかに上品に食べられるかは、箸の使い方であり、箸の汚れ方しだいです。
さすがに箸先1.5センチは難しいですが、3センチまでなら、挑戦できる目安ではないでしょうか。
このことを心がけ始めると、なかなかよい効果を生み出します。
「箸ができるだけ汚れないように」というのは、抽象的ですね。
一方「汚していいのは、箸先3センチまで」という指示は、具体的です。
自分が手にする箸先の汚れ具合によって、客観的な判断がしやすくなります。
実際、普段のあなたはいかがでしょうか。
食事をする際、箸の汚れ方を振り返ってみましょう。
このことに気づけば、今からでも、改善は十分に間に合うのです。