プロの演説家は、小声で話すというテクニックを使います。
大きい声で話せば強調できると思い込んでいる人は、初心者です。
大切なところを大きな声で話せばいいなら、大切なところほど、うるさい演説になります。
プロの演説家は、小声のほうが強調できることを知っています。
話の要所要所で、聞こえるか聞こえないかくらいの声を使うことで、聞き手の集中をかき立てることができます。
私が中学生のころ、面白い話で笑わせてくれる先生がいました。
ときどきその先生は、面白いところに限って、小さな声で話します。
うっかりしていた私は、聞き損ないました。
周りのみんなは、大笑いしています。
私は、先生がなんと言ったのか、気になって落ち着きません。
それで隣の席の子に「今、先生は何て言ったの?」と聞いたのです。
小さな声で話すことで「ここだけの話」というようなニュアンスが伝わります。
これが聞き手に集中力を与えるのです。
ひそひそ話をしていると、何を話しているのか気になります。
話し上手になるためには、大切なところほど小さな声で大きく強調しましょう。
大切なところは、大きい声で話せばよいわけではないのです。