食べるときには名前を確認します。
知っている食べ物でも、もっと細かく名前を確認したうえで食べるといいでしょう。
大まかな把握でもいいのですが、できれば細かく把握したほうがよりおいしくいただけます。
着目したいのは、種類と部位の確認です。
種類や部位を確認したところで何も変わらないと思う人もいるかもしれません。
たしかに確認してもしなくても、味は同じままでしょう。
ソースや調味料のように、何かを加えるわけではありません。
しかし「味」は変わらなくても「味わい」が変わるのです。
大まかに確認して食べるのと、種類や部位を確認したうえで食べるのとでは、味わい方が違います。
たとえば、肉です。
肉といっても、種類があり、部位があります。
「肉を食べている」と大まかに思って終わりにするのではありません。
まず肉の種類を確認しましょう。
牛肉なのか、豚肉なのか、鶏肉なのか。
魚肉であれば、魚の種類を確認します。
サンマなのか、ヒラメなのか、マグロなのか。
部位の確認も大切です。
ヒレ肉なのか、モモ肉なのか、バラ肉なのか。
「自分は今、○○の肉を食べている。この部分を食べている」
肉の種類や部位がわかることで、より具体的なイメージが浮かぶでしょう。
「なるほど」と納得することで、よりおいしくいただけます。
肉に限ったことではありません。
お米なら、どこのお米なのか。
エビなら、天然なのか養殖なのか。
ウナギなら、国産なのか外国産なのか。
細かい点に着目すると、鋭い目が養われ、食の観察力が高まります。
家庭であれば、親に聞くと答えてくれるでしょう。
わからないときは仕方ありませんが、確認してみるだけ損はないでしょう。
レストランであれば、メニューに種類や部位について記載があるはずです。
わからなければ、店員さんに聞けば親切に答えてくれるでしょう。
聞くことは失礼なことではありません。
一目で判別できればいいのですが、見た目だけで判別するのは難しいことがあります。
食べ慣れたものでも、料理されていると区別しにくいことがあるため、きちんと確認することが大切です。
いちいち気にしなくてもいいと思うかもしれませんが、きちんと注意を向けたほうが、食への意識が高まります。
食べる行為とは命をいただく行為です。
命を捧げてくれた食べ物も、自分の名前を確認してから食べてもらえると喜んでくれるでしょう。
「いい人に食べてもらえてよかった」と思ってくれるに違いありません。