怒ることは本来、恥ずかしいことです。
怒るときは、どんな場面でしょうか。
不快なことや迷惑なことに直面したとき、私たちは怒りを感じます。
もちろん怒りの感情はあっていいのです。
怒りの感情は、人間に備わっている基本的な感情の1つ。
感情を持つ人間なら、時には怒りを感じることもあるのが普通です。
きちんと怒りを感じることができるのは、人間らしい証拠ともいえます。
しかし、怒りを感じるのはいいですが、爆発させるのはよくありません。
怒ることは恥ずかしいことです。
自分の器が小さいことを公言することになるからです。
怒ることは「私は感情のコントールが未熟です」「私は大人の皮をかぶった子どもです」と言っているようなもの。
怒りを理性で抑えることができませんでした。
怒りに負けてしまい、野蛮な一面を見せてしまいました。
感情をコントロールしたのではなく、感情にコントロールされました。
だから器が小さいのです。
年齢を重ねた大人が小さなことで怒っていると、器が小さく見えてしまいます。
それは、感情のコントロールが不十分だからです。
どれだけ年齢を重ねていようと、どれだけ外見に貫禄があろうと、感情のコントロールができなければ未熟です。
恥ずかしくない大人になりたいなら、感情のコントロールは必須です。
したがって、怒りを感じたときは、理性と自制心の力によって抑えることが大切です。
たとえ激しい怒りで気が狂いそうになっても、ぎりぎりのところで我慢しましょう。
我慢できそうになければ、いったんその場を離れ、時間を置くのがいいでしょう。
私たちは、高度な知性を持った人間です。
高度な知性があるのですから、常に理性と自制心を保つことが大切です。
たとえ強い怒りを感じることはあっても、感情を爆発させないことが大切です。
心がけたいのは「感情のコントロール」です。
怒りたい感情を抑え、冷静な対処を心がけましょう。
クレームを入れるのなら、怒るのではなく、冷静に伝えましょう。
「許しがたい行為」「絶対許容できない」など、許容範囲を超えたことがあるでしょう。
「どうしてくれるのですか!」と感情をぶつけるのではなく「こういうことがありました」と落ち着いて伝えます。
落ち着いた口調と丁寧な言葉遣いで伝えれば、相手も素直に受け止めることができ、スムーズに話が進みます。
わが子に腹が立ったら、怒るのではなく、叱りましょう。
「怒る」と「叱る」は、似ていますが違います。
怒るのは、感情的に任せて、怒りをぶつけることをいいます。
叱るとは、冷静な状態を保ちつつ、落ち着いて諭すことをいいます。
落ち着いて叱ることができれば、親の言葉が「うるさい説教」から「ためになる指導」へと変わります。
怒ることは恥ずかしいことであると覚えておいてください。
「怒ってしまったら恥ずかしい」と思うくらいでちょうどいい。
怒りたくなっても、ぎりぎりのところで我慢しましょう。
感情をコントロールできる人こそ、大人なのです。