大学生以降でも、身長が伸びるケースがあります。
医学的には骨の末端部分にある骨端線がなくなったとき、成長期が終わったと判定されます。
骨端線にある骨芽細胞が成長ホルモンによってコラーゲンを作り、層のように積み重なって骨が伸びた結果、身長が高くなります。
大学生や社会人になっても身長が伸びる場合、厳密にはまだ成長期が続いている状態です。
骨端線が残っているなら、食事・睡眠・運動を心がけることで、まだ伸びる可能性はあるでしょう。
では、完全に骨端線がなくなり、成長期を過ぎた大人が身長を伸ばす方法はないのでしょうか。
残念ながら、身長を伸ばす方法はないのが現状です。
一度なくなった骨端線を復活させる方法も、現在のところありません。
身長が伸びるのは、成長期までです。
思春期は身長を伸ばすラストスパート。
だからこそ成長期は、人生の中でも特に大切な時期と言えます。
成長期が過ぎた大人の場合、残念ですが、身長の増加は諦めるのが賢明です。
ただし、身長を伸ばす方法がないわけでもありません。
成長期を過ぎた大人が身長を伸ばす方法としては、次の3つがあります。
体にゆがみのある人の場合、矯正することで身長が伸びる場合があります。
厳密には骨が成長するわけではなく、骨格のゆがみを矯正することで、身長のポテンシャルを引き延ばす方法です。
1回の矯正で効果が出る場合もありますが、実際は何回か矯正をして安定させていくのが一般的です。
成長期を過ぎた大人が身長を伸ばす方法としては、最も手軽に試せる方法でしょう。
低身長や成長ホルモンに関する病気が関係している場合、人工的に成長ホルモンを投与して、身長を伸ばす方法があります。
「在宅注射」といって、自宅で注入器を使って成長ホルモンを注射します。
ただし、病気や事情がないかぎり、この方法は使えません。
「治療が必要」と判断された場合のみ使える方法です。
身長を伸ばすための手術があります。
現在のところメジャーなのは「イリザロフ法」「ISKD法」の2種類の手術です。
この手術は、どちらも大がかりです。
人工的に骨折させ、折れた骨同士を少し離した状態で骨を再生させながら、徐々に身長を伸ばしていく方法です。
膨大な費用がかかり、強い痛みや炎症が出る可能性もあります。
受けられる病院も少ないのが現状です。
手術前に比べて、運動能力が下がるデメリットもあります。
どうしても身長を伸ばしたいこだわりがあるなら、検討してみるのもいいかもしれません。